・八十歳で最後の旅路、クシナガラヘ
 歳をとるにつれて、釈迦は次第に肉体の衰えを感じはじめ、横になることが多くなっていた。しかも、祖国・釈迦国は、コーサラ国の瑠璃王によって滅ぼされ、教団内でも、信頼をおいていた舎利弗・目蓮という十大弟子のうちの二人が相次いで亡くなるなど、辛いことが続いていた。こうしたことで生きる意欲が減退してきた釈迦は、ついに入滅の決意を固める。そして入滅の場所としてクシナガラを選ぶと、侍者として阿難ひとりを連れ、最後の旅に出たのである。齢八十歳、さとりを開いてから四十五年後であった。高齢の体に鞭打ってのつらい旅であった。ようやくクシナガラに着くと、釈迦は二本のサーラ樹を選び、その間に床を用意させた。そして北側へ頭を置き、右側を下にして横になると、足と足を重ねた。この時サーラ樹は、季節ならぬ花を咲かせ、釈迦を迎えたという。阿難によって釈迦の入滅が近いことを知った出家修行者や在家の信者は、次々とサーラ樹のもとへ集まってきた。さらに、鳥や獣、目には見えない諸天諸神までもが詰めかけ、釈迦の周囲を埋め尽くしていったのである。釈迦は最期の言葉を発すると、やがて禅定(暝想)に入り、そのまま静かに入滅したのであった。
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伝道

観音経

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